『若恋』若恋編
「……この手で…龍さまを撃ち抜きました。もう…」
「しゃべるな、丸井!」
「いいんです。わたしのことはわたしが一番……わかってますから……」
「黙ってろ!」
「……大神さまを娘が好きだと話してたわけがわかるんです…」
「丸井!」
「……わたしが仕えるひとが大神さまならよかった…」
声が力なく途切れ途切れになる。
生温かいものがシミを広げていく。
「しゃべるな」
肩から息をする丸井が小さくなっていく。
.