『若恋』若恋編
三枚の写真。
りおの腹の中には俺の子がはっきりと写っている。
角度が変わっても三枚ともはっきり写っている。
「―――俺の…」
「うん」
何度だって言える。
俺のガキだと。
おまえと俺の子だと。
予想はしていたはずなのに歯止めがかからない。
目を潤ませたりおを見ると気持ちが昂る。
抱き締めているのに足りない。
腕のなかに閉じ込めても足りない。
沸き上がる気持ちに歯止めがきかない。
「ぐすっ」
溢れた涙を溢したりおを力いっぱい抱き締める。
握りしめた写真ごと抱き締め鼓動を重ねる。
「……こんな小せぇんだな」
「うん」
「―――俺の…」
「うん」