『若恋』若恋編
「母さんが認めてくれなくても俺はりおを嫁にもらう」
どんなことがあってもりおを手放さない。
決めたんだ。
「なによ。だから認めてるじゃないの」
りおを抱き寄せる留恵さんはムッとして口を尖らせたた。
「愛する旦那さまを身を投げ出して守ろうとしてくれたのだもの」
ねえ。
ギュッ。頬擦りしそうな勢いでりおに顔を近づける。
「孫は女の子を頼むわね」
「…女の子?」
孫は女の子を頼みたいっていくらなんでも早いだろ。
「それって…」
「ああ、認めてくれたってことだな」
嬉しさのあまり顔を歪ましたりおに頷いた。
「今日はこのまま安静にして様子見て、明日、みんながいる家に戻ろう」
夜。
俺の実家を訪れた夜。
ありがとう、親父。
ありがとう、母さん。
―――ありがとう