『若恋』若恋編
誓い
12月24日。
今日は大神物産関係者の集まるパーティーが開かれるが、その前にどうしてもりおを連れて行きたい場所があった。
「りお、行くぞ」
「え?」
「そのままでいい。すぐ出掛けるぞ」
りおがきょとんとしてマグカップをテーブルに置いた。
その手を引き、りおの体を抱き寄せる。
「奏さん?どうしたの?奏さん」
「………」
柔らかい声。
りおが傍にいてくれることが俺にとっての幸せだ。
失いたくない。
これから先、手放さない。
何がこの先待ち構えていたとしてもふたりで歩んでいく。