『若恋』若恋編




繋いだ指先が震えてる。
泣き顔になって静かに胸の中に収まった。
その細い肩が小刻みに震えてしがみつく。



「……あげる、」

―――わたしのすべてを奏さんにあげる―――

わたしがもらった幸せを、奏さんにも。

わたしに授かった命も、奏さんと共にある。

わたしの気持ちのすべてを、奏さんにあげる。

わたしの残りの人生を、奏さんに、すべて。


「……あげる」



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