『若恋』若恋編
隠された想い
最近、りおがじっと榊を見ていることが多い。
お茶を煎れる時や、榊と他愛もない話をしている時。
榊を連れて買い物に行く時も。
「りおさん、何かわたしの顔についてますか?」
「え?え?」
りおは隠し事が下手だ。
榊が切り出すと顔を赤くして慌てて俯いた。
「何か気になることでもあるんですか?」
訊ねる榊にりおが何でもないよと首を振った。
嘘だ。
最近、りおは榊を見てることが多い。
りお本人は全く気づいてないが。
榊はりおの妹、ひかると付き合いだしたと思ったら、1ヶ月もせずに別れた。
原因はわかってる。