『若恋』若恋編
「おまえは榊に何を言いたいんだ?昨日も今日も榊の顔ばかりを見てたが」
じっとりおの目を見ると、なぜか少し悲しそうな顔をして口元だけで笑った。
「ひかるが……落ち込んでて」
「ああ」
「榊さんにどういうわけなのか聞きたくて」
「………」
「だけど聞いちゃいけないような気がして、……結局聞けないでいたの」
りおが榊にきけないでいる榊とひかるが別れた理由。
「榊とひかるが別れた理由、か……」
「―――え?」
俺の溢したため息とひとことにりおの動きが止まり、大きく瞳が開かれた。
「―――別、れた、?」