『若恋』若恋編



きっと。

一生りおに告げることはない。



告げたら最後。

目の前のりおを永久に失うだろう。





「俺は、本当に望むものは手に入れられない」

「それはりおさんのことですか?」

「………さあな」




目の前の艶やかな黒髪を撫で続ける。






「俺は俺なりのやり方で、りおを護るだけだ」





榊が息を飲む気配がしたが、振り向かなかった。










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