『若恋』若恋編
新しい携帯電話





屋敷へりおを連れて戻る手配は榊に任せている。


「若、準備できました」

「そうか、わかった」



起き上がれるようになったりおを横抱きにして仁が開けた車に乗り込む。

前には榊と一也の乗った車。
後ろには毅と拓也が運転する車が護衛についている。


「裏ではなく国道を真っ直ぐ行け」



屋敷までは10分ほどだ。

未明に龍神会…下っぱのたまり場襲撃した報復があるかと、念には念を入れて移動する。



「どうやら無事に屋敷に着きそうだな」

「まあな。俺だったら警戒してる車を襲ったりはしねえな。返り討ちにあうだけだろうし」

前広が運転するその横で仁は余裕で外を眺めている。


市街地から少し外れ緑が多い敷地内へ入った。



「ええっ?あの、大神さんの家って……」

「どうした?」

「すごい……」

「何がだ?」


りおが大きく目を見開いて屋敷を見ていた。



「芸能人の家みたい」

「そうか?普通だぞ」


防犯セキュリティだけはどこよりもしっかりしてるがな。



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