鮮やかに青いままで
「角で小突くなよ角で…ってかまだ買ってない本でそういうことしないの」


頭をさすりながら、読んでいた写真週刊誌を棚に戻す。


「いやあ、これで叩けば広太郎も自分が置かれている状況を痛感出来るかなと思って」


そう言うと凶器…もとい参考書のページを親指でばらばらっとめくり、にかっと笑う。


「…そりゃそんだけ分厚い本で叩かれりゃね」


俺もにやっと笑ったが、次の瞬間にはそれが苦笑いであることに自分自身で気づいていた。




「まああたしならお互い売れてるうちに結婚なり何なりしてバラエティ番組の話のネタにするけどねー」


「見てたんかよ」


返答をする代わりにかかかっと笑いながらレジに参考書を持っていく。


「漫才のネタにする…んならやっぱ相手は天然系じゃないと駄目かなあ」


「打算的過ぎんだろ。てか芸人側かよ」


後ろからぼそりとツッコミを入れるも、聞こえてはいなかったようだ。
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