鮮やかに青いままで
家に帰り着いたのは、すっかり日が暮れた後だった。
俺を玄関で出迎えた母に言われるがままに風呂に入る。
確かに底冷えがしていた。
明日、どんな顔して綾桧と会おう。
明日もまたあの曲がり角で待ってくれているのだろうか。
会いたいし、会いたくない。
…目を合わせたくない。
42℃の湯船の中で、ひたすらそんなことを考えていた。
というかここ数日はずっと綾桧のことしか考えていない。授業中、風呂の中、ベッドの上。
一度彼女が頭の中に浮かぶと、それ以外は何も考えられなくなるのだ。
「あー駄目だ駄目だ!」
思わず一人で叫んでいた。
なぜ、ここに来て。
…初めて胸が焦がれるのを感じた。
こんな思いをするなら、なぜ、あの時。
…のぼせそうだ。あがろう。
ぼんやりとした表情のままジャージに着替え、リビングに出る。
「お風呂長かったねえ。あ、そういやあんたの携帯がぶーぶー鳴ってたよ」
母がフライパンを器用に操りながら言う。
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いやな予感がした。
俺を玄関で出迎えた母に言われるがままに風呂に入る。
確かに底冷えがしていた。
明日、どんな顔して綾桧と会おう。
明日もまたあの曲がり角で待ってくれているのだろうか。
会いたいし、会いたくない。
…目を合わせたくない。
42℃の湯船の中で、ひたすらそんなことを考えていた。
というかここ数日はずっと綾桧のことしか考えていない。授業中、風呂の中、ベッドの上。
一度彼女が頭の中に浮かぶと、それ以外は何も考えられなくなるのだ。
「あー駄目だ駄目だ!」
思わず一人で叫んでいた。
なぜ、ここに来て。
…初めて胸が焦がれるのを感じた。
こんな思いをするなら、なぜ、あの時。
…のぼせそうだ。あがろう。
ぼんやりとした表情のままジャージに着替え、リビングに出る。
「お風呂長かったねえ。あ、そういやあんたの携帯がぶーぶー鳴ってたよ」
母がフライパンを器用に操りながら言う。
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いやな予感がした。