鮮やかに青いままで
「…なんだよその反応」


俺は訝し気に綾桧を睨む。


「べっつにー?ただ昨日は久々に可愛い広太郎が見られたなーって」


「な、何言って…」


「やっぱAV女優みたいなカラダじゃないと嫌?アイドルみたいに可愛くないと嫌?」



一瞬にして紅潮した俺の頬。その熱を確かめるようにさする綾桧。細い指が肌をゆっくり下に向けてなぞり、首筋に絡み付く。



「…やっぱあたしさ。広太郎が他の女をやらしい目で見るの嫌なのよ。許せないのよ」


また、綾桧の声が変わった。それは余りにも唐突だった。

互いに口には出さずとも、昨日のことは冗談で流そうという空気が流れていたはずだ。

流れていたはずだ。




「歩きながらでいいよ。…今度はちゃんと聞いて」


その視線は、ただ真っ直ぐに俺の瞳を見つめていた。
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