見えない色
「あ、おかえりなさい」
「真帆。来てたのか」
こっちから告白して、付き合い始めて、ついに合鍵までゲットした恋人歴4か月間で気づいたこと。
仕事でもそうだったけれど、彼は常に冷静だった。
そんなところも好きだけれど。
今日はもう少し、枷を外してあたしを求めてほしいと思った。
「真帆?」
上着を脱いだその隙を狙って抱きついてみる。
それくらいで彼の余裕を崩せないことくらい承知済みだ。
まずは頬にキス。
指を指に絡ませて。
夜ゆえにちらつく顎に舌先を這わせる。
彼の体が少し跳ねたらあと一息。
下唇をはさみながら挑戦的に見上げる。