純粋に狂おしく愛してる ー君が私を監禁した理由(ワケ)ー
 恥ずかしい、なんていうものじゃない。恥ずかしすぎて死にたいくらいだ。いや、いっそうのこと一思いに殺してください……。

 慌ててバスタオルで身体を隠す。……もう手遅れかもしれないが、そこは気にしたら負けだ。


「いっ……」

「篠原さん」

「いやあああっ!!!」

「小さなタオルを用意するのを忘れてしまっていた、すまない」


 桐生さんは無表情を崩さないまま、平然とした様子で小さなタオルを差し出してきた……って!どうしてあなたはそんなにも無反応なんですかっ?!

 普通、こういう時の男性の反応って、謝ってすぐに扉を閉め直すか、下心丸出しで近付いてくるかのどちらか……だよねっ?!

 桐生さんはそのどちらの反応でもない。無表情尚且つ無反応で、いつも通りに私に接してきた。

 下着姿を見られて恥ずかしがっている、私の方が異常なんじゃないかと思ってしまいそうになるくらいだ。


「き、きっ、桐生さん……っ!」

「どうした?」


 首を傾げてそう聞いてくる桐生さんは、本当に自分の行動についてよく分かっていないみたいだ。
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