純粋に狂おしく愛してる ｰ君が私を監禁した理由（ワケ）ｰ

　そう言おうとしたけれど、桐生さんはスッ……と身を引き、机の上に置いたマグカップを私に差し出してきたため、言うタイミングを完全に逃してしまった。

　さっきから疑問に思っていたのだけれど、このマグカップの中身って……もしかして？


「篠原さんのために、ココアを用意した。口に合うといいんだが」


　やっぱり、私の好きなココアだ。

　桐生さんから受け取ると、すぐに私はマグカップに口をつけ、ココアを一口、飲む。


「美味しいです……！」


　その温かさと、絶妙な甘さに、ほんわかとした気持ちになる。

　そういえば、私がここに監禁されてすぐの時もココアをいただいたっけ？その時は……とても飲める状態じゃなかったから、口にしなかったけれど。

　それにしても、このココア……私がいつも飲んでいるココアの味とは、少し違うような……？


「桐生さん、このココア、どこのメーカーのものなんですか？」

「……メーカー？」

「えーっと、ほら。森永とか明治とか……」

「ああ……手作りだから、どこのメーカーでもない」

「……はい？」


　て、手作り？今、桐生さん、そう言いましたっ？！