純粋に狂おしく愛してる ー君が私を監禁した理由(ワケ)ー
「手作りって……えっ?」

「鍋にチョコレートやパウダーなどを材料をいれ、混ぜて作ったものだ。量はまだある。欲しければ遠慮なく言ってくれ」


 嘘……。まさか、このココアが手作りのものだったなんて。てっきり、粉のパックを買って、お湯をいれて混ぜるだけのものかと思っていたのに。

 初めてココアをいただいた時も、飲めばよかったかなぁ……っ?!だって、手作りだなんて……手間がかかるし、大変だっただろうに。


「えっと、じゃあ……飲み終えたら、もう一杯いただけますか?」


 私が言うと、桐生さんは嬉しそうに目を細め、「ああ。分かった」と承諾してくれた。

 せっかく作ってくれたんだもの。やっぱり飲まないと悪いし……それに、美味しいからもっと飲みたいっていう気持ちもある。

 私は何杯かココアをいただいたあと、桐生さんと一緒に朝食をとり、顔を洗ったり歯を磨いたり、寝巻きから普段着と化した高級ブランド店の服に着替えた。


「そういえば、桐生さん」

「ん?」

「今日の予定の方は……?」

「今日は週末だから……大学もアルバイトの予定もないが」


 あっ、ですよねー!うん、今日は週末だし、そんな気はしていました。

 ……ということは、今日1日、ずっと桐生さんと一緒に過ごさないといけないのかぁ……!
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