純粋に狂おしく愛してる ー君が私を監禁した理由(ワケ)ー
 コイツ……ツカサっていうのか。本当にホストみたいな奴だな。

 ……って、はっ?“また”連れ込んできた?コイツ……何人の客を無理矢理連れ込んできたんだよ。


「司くんが迷惑な行為をしてすまないなぁ……。ほら!司くんも謝るんだよ!」

「えー? 俺はただ疲れている学生に癒しを与えようと……」

「司くんっ!」


 言い合っている2人から目を逸らし、俺は店内を見渡す。……なかなか悪くないな。ここで飯を食ったら疲れなんか吹っ飛びそうだ。

 店内を見渡している俺の視線は、店の奥で机を拭いている男性で止まった。

 独特のオーラを身に纏い、さらさらとした漆黒の髪。そして左目の部分には包帯。間違いない。コイツ……この前に会った、包帯の人だ。


「せっかくですから、ココアを1杯、もらえますか」


 ココアは里桜の好物だ。俺はもともと飲まなかったが、里桜の影響で飲むようになったわけだ。

 未だに言い合っている2人に注文をすると、司と呼ばれたチャラ男のウエイターはニッコリと笑った。


「はい!まいどあり~♪お好きな席にどーぞっ!」
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