純粋に狂おしく愛してる ー君が私を監禁した理由(ワケ)ー
「くそっ!」


 ──ドンッ!


「くそっ!」


 ──ドンッ!


「くそぉ……っ!」


 ──ドンッ。

 そんな俺の怒りを鎮めるためか、はたまた哀れむためかは知らないが、冷たい、冷たい雨が降ってきた。

 ぽつぽつと降ってきた雨は、やがて激しい雨へと変わる。俺は一瞬で全身がびしょ濡れになり、髪や衣類からはポタポタと雫が落ちていった。

 雨は拳を伝い、血を洗い流すかのように滴り落ちていく。


「ハァッ……ハァッ……」


 痛みなんて感じない。胸にぽっかりと大きな穴が空いたような感じだ。


「何故なんだ……!何故……!何故……何故っ!君は……幸せになるって、言っていたじゃないかぁぁぁあっ!」


 頬を伝い落ちているのは、雨の雫が、はたまた涙か……。それさえも分からない。……どうでも、いい。


「クソがぁっ!!!」


 それは恐らく、自分に対しての言葉。

 ──ぐっ!

 俺は迷うことなく、右手の人差し指を左目に突き刺した。指の第二関節のところを折り曲げて、そしてそのまま眼球を引きずり出す。

 痛みなんて、感じない。
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