純粋に狂おしく愛してる ー君が私を監禁した理由(ワケ)ー
 しばらくその寝顔を見ていた私だったのだが、大学やアルバイトのこともあるし、朝食を作って食べないといけないしで、起こしづらいけれど桐生さんを起こした。

 目を擦り、大きなあくびをする桐生さんは、私の頭をぽんぽんと叩いたあと、台所の方へ移動した。

 わぁ……料理をする桐生さんの背中や横顔しか見えないけれど、テキパキと動いていて、その……かっこいい、かも。──ハッ!何を考えているの、私のバカ!

 一人赤面している私のもとに、桐生さんは作った朝食を運んできた。運ばれてきた朝食は、卵焼きや納豆や焼き魚などで、美味しそうな匂いが部屋の中を漂う。


「いただきます」


 手を合わせ、私と桐生さんはほぼ同時に箸に手を伸ばしたのだった。

 中には温めただけの奴や、買ってきたものを用意しただけの奴もあるのだろうけれど、食べた料理は美味しく感じた。……桐生さんが用意してくれたから?


「ごちそうさまでした」


 食べ終わると、桐生さんは皿を持って台所へと移動し、洗い出す。しばらくして洗い終えてこちらへ戻ってきた桐生さんの手には、ラップに包まれた皿。


「これ……昼食だから」


 机の上に置かれた皿の上には、サンドイッチが乗っていた。
< 189 / 349 >

この作品をシェア

pagetop