純粋に狂おしく愛してる ー君が私を監禁した理由(ワケ)ー
 いや、もしかしたら、最悪の場合、死刑なんてことになる可能性もあるのかもしれない。

 そうなってしまうのは何が何でも嫌で、私には桐生さんに伝えなくちゃいけないことがあるのに、一生伝えられないまま……なんてことになるのは、絶対に嫌で。

 次に警察の方の口から紡がれる言葉を聞くのは怖いけれど、聞かなきゃいけないことだと思うから。

 それが最悪の言葉だったとしても、濁されたりごまかされたりするのだとしても、“逃げない”で“聞く”という“心構え”が……大事なことだと思うから。

 だから私は、逃げない。

 体格のいい警察の方は、振り返ってしばらく私を……私の目を見つめていたけれど、やがて……。


「……終身刑、では、ないな」


 そう、言ったんだ。

 私はその言葉を聞いて、心の底から安堵をした。そして、静かに頭をさげて、警察の方々にお礼を言った。

 そんな私を、表情や顔色も変えずに見つめる警察の方々……。

 もしかしたら、警察の方々は何も言わないだけで、私の桐生さんに対する想いについて気が付いているのかもしれない。

 そうなのだとしても、私も……警察の方々も、何も言わなかった。お互いがお互い、何も言わない。それでいいのだと、私は思う。
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