純粋に狂おしく愛してる ー君が私を監禁した理由(ワケ)ー
 朝起きたら頭が痛く、身体がだるく感じた。寝返りを打つのも億劫なくらいだ。喉の辺りもズキズキと痛くて、鼻水は出るし咳は出るしで、嫌な予感がした。

 のそのそとベッドからおりて、体温計に手を伸ばす。そして体温を計ってみると――やっぱり。38.3度。これは完全に風邪を引いてしまったらしい。

 冷蔵庫から熱さまシートを取りに行くのと同時に、休ませてもらうために会社に電話をかける。電話をし終えると早苗に風邪を引いた事実をメールで送った。

 何か胃に収めないといけないのは分かるのだけれど、生憎ながら食欲はない。お父さんは仕事に出掛けていて家にはいないし……。

 たまたま冷蔵庫に入っていた梨の皮を剥き、食べれる大きさに切った後、胃の中に押し込んだ。果物なので幾分か食べやすい。

 そして家の中に置いてあった風邪薬を飲むと、私はまたのそのそとベッドの中で横になったのだった。

 気付いていたら寝ていたらしく、目を開けると時計の針が昼頃を指していた。

 昼食……食べる気になれないなぁ……。熱にやられた頭でそう思いながら、視線を下に向けると――、一夜さんが座ったまま眠っていた。


「いち、や、さん?」


 名前を呼ぶ発した声は掠れていた。
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