純粋に狂おしく愛してる ｰ君が私を監禁した理由（ワケ）ｰ

　思い返してみると、私は一夜さんと一線を超えた夜を共に過ごすどころか、キ、キス、さえ、していないことに気が付いた。

　一夜さんはしたくないのかなぁ……？わっ、私は、一夜さんの横にいれるのならなんだって構わないけれど。

　ちらっと一夜さんの方を向く。まだ司さんに対して怒っているのか、はたまた妬いてくれているのか、機嫌が悪いままの様子。

　そんな一夜さんの袖をちょんちょんと引っ張ると、そのことに気が付いた一夜さんは、いつもと同じどこか優しさを含んだ表情で私の方を向いた。


「どうした？里桜」

「あの、さっき、司さん、が、言っていたこと……」


　私の口から司さんな名前が出たことが気に食わないらしく、一瞬だけ不機嫌そうな顔をした一夜さんだったけれど、私の言わんとしていることに気が付いたのか、小さく首を横に振った。


「アイツの言うことは気にしなくていい」

「いや、あの、えっと、………………一夜さんは……？」

「ん？」

「一夜さんは……狼ですか？」

「……」


　一夜さんは私の顔を見つめたまま、動かなくなってしまった。

　私、変なことを口走ってしまったのだろうか？もしかしたら、熱のせいで変なことを口走ってしまっているのかもしれない。