純粋に狂おしく愛してる ー君が私を監禁した理由(ワケ)ー
 メールを読むその顔はとても嬉しそうで、ちょっとばかり、里桜にメールを送った奴に嫉妬した。だから……だろう。俺は反射的に、里桜にこう問い掛けていた。


「だれからだ?」

「えっ。あっ、友達からですよっ」


 里桜は笑顔で答える。

 ……その笑顔がぎこちなく見えたが、それはまぁ……おいておくとして、友達というと、早苗とかいう子からのメールだろうか?

 里桜に言われ、自分でも最近意識するようになったのだが、どうやら俺は嫉妬心や独占欲といったものがそこらにいる人達より強いらしい。

 早苗という女性の友達からのメールだとしても、嫉妬してしまうものには嫉妬してしまう。

 ずっと、俺だけを見て俺だけを想ってくれたらいいのに……な。……なんて、ダメだな、俺。そんなこと、許されるわけがないのに。


●●●


 あれから数日が経った。携帯に届いたメールを、相変わらず素早く確認しては笑顔になる里桜。

 そのメールには、そんなにも里桜の笑顔を零れさせてしまうような内容が書かれているというのか?

 盗聴器から聴こえる里桜の様子におかしいところはないが、まさか……いやいや、考えをそんな悪い方にもっていくのは良くない。里桜はそういう子じゃない。
< 311 / 349 >

この作品をシェア

pagetop