純粋に狂おしく愛してる ー君が私を監禁した理由(ワケ)ー
「へぇ~? おにーさん、安易にそんなことを言っちゃうんだ?」
最初からこんな流れになることが分かっていたのか、ニヤニヤと……見ていて気持ちのいいものではない笑顔を浮かべる子供。
「ねぇ、知ってる? 死神になるっていうことは、もう普通の人生が暮らせなくなるんだよ?数日間に1つ、人間のことを喰らわなきゃいけないし、化け物の影影に襲われる場合もある。キミが死神になったって篠原里桜が知ったら、どんな反応をするだろうねー? 〝気持ち悪い、嫌い、近付かないで〟──そう言うかもねぇ?」
……。
「その分、邪魔な人間は排除が出来るし、好き勝手に生活ができるケド……お偉いさんの依頼に逆らったり失敗したら消滅させられるしね~。……そんな便利で不便な死神にさせられるかもしれないんだよ? いいの? 自分から〝俺を好きにしろ〟なんて言っちゃって?」
「里桜に、人外の道を歩ませたくない」
「……」
刹那、子供はつまらなさそうに表情を歪めた。
もしかしたら、俺はまた無意識に変なこと……または、カンに障るようなことを言ってしまっていたのかもしれない。
だが、今の発言に嘘偽りはないし、里桜をこの手で守れるのなら、犠牲なんていくらでもなってやる。