純粋に狂おしく愛してる ー君が私を監禁した理由(ワケ)ー

「……、……うんっ」


 何かを考えていた子供は、その〝何か〟が閃いたらしく、納得したように大きく笑顔で頷いて見せた。

 子供のこういう無邪気な笑顔は、かえってむしろ怖い。とんでもないことを口走ったりするものだ。


「やっぱり、おにーさんは死神にはしない★」

「……」

「でもぉー、そのかわりにぃー!おにーさんを殺してあ・げ・るっ!」


 ……やっぱりな。それにしても、この子供の頭には〝死神にする〟か〝殺す〟の2択しか無いのだろうか?

 何がなんでもココアを飲ませるべきだったか? そうしたら多少は落ち着くことが出来て、他の会話も出来るのかもしれないな……。


「死神が人間を殺すとねー!その人間は〝元からこの世にいなかったこと〟になるんだよ!つまり、僕が今ここでキミを殺したら、篠原里桜のおにーさんさん関する記憶が全部消えちゃうんだ♪どう? 画期的デショ?★」


 ──なっ?!



「まぁ、上級の死神は、一部の人の記憶を消さなかったり、〝この世からいなかったことにならなくする〟ことが出来るケド、めんどうだし……そういうのは稀かな?」


 俺が、元からこの世にはいなかったことになる……。
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