純粋に狂おしく愛してる ー君が私を監禁した理由(ワケ)ー
「すまない」
だから、俺も正直に告げる。嫉妬していたのは俺の方だった、と。藤井という俳優をずっと見ていたのだと思い込んでいた、と。里桜を不安にさせたくはないし、心配や迷惑をかけるだなんてもってのほかだ。
「俺は、昔も今もこれからも、里桜しか見ていない。ずっと里桜のことばかり考えている」
そう言って、細い里桜の身体を抱き締めた。少し力をこめたら簡単に折れてしまいそうな身体。俺がちゃんと守ってやらなければ。
「ふふ。お互い様だったんですね、私たち」
俺の腕の中で、里桜は照れ臭そうに笑った。「そうだな」と、俺も微笑む。
ずっと、こうして里桜を抱きしめていたい……。里桜の心地よい体温を感じていると、彼女はおずおずと言った感じで、しかしワクワクとはずんだ声音で俺に言った。
「一夜さんっ」
「なんだ?」
「トリック・オア・トリート!……です」
そして、俺の顔を覗き込むようにして、イタズラっ子のような笑みを浮かべながらそう言った。
トリック・オア・トリート。──お菓子をくれなきゃイタズラするぞ。……たしか、そういう意味合いだったと思う。
里桜は「なんちゃって!つい言っちゃいました♪」──と、言おうと口を開いたらしいのだが、それよりも早く、俺は彼女をその場に押し倒す。