純粋に狂おしく愛してる ｰ君が私を監禁した理由（ワケ）ｰ

「……驚いている顔をしている篠原さんも、かわいい」


　別に“かわいい”と言われて驚いているわけじゃないのだけれど……。……驚いた顔、していないよね？うん、していないはずだ。


「ハイハイ。それより、あの……私、付き合っている恋人がいる……んですけど……？」


　おそるおそる、口にする。

　桐生さんは私に恋人がいることを知っているのだろうか？知っていて、こんなことをしたのだろうか？

　桐生さんは私を“愛している”と言った。そして、こんな行動を起こした。そうなれば、桐生さんにとっての望みはあと１つだけ。

　──“篠原さん。俺のことを愛してほしい”……でしょう？

　でも、私には愛すべき恋人がいる。だから桐生さんを愛するなんて、出来るわけがない。

　その辺りのことを、桐生さんはどういうふうに考えているのだろう……？

　桐生さんは特に驚いた様子もなく、むしろ、相変わらずの無表情のままで、口を開く。


「……知っている」

「えっ？」


　知っ……ている……？えっ？私に恋人がいるって知っていて……こんな行動を起こしたっていうの……っ？！

　桐生さんの言っていることに驚いた私は、思わず両目を見開いた。


「……“本田洋佑”。……俺はそいつを、知っている」

「……！」


　私は、絶句した。まさか本当に洋佑のことを知っているとは……。