純粋に狂おしく愛してる ー君が私を監禁した理由(ワケ)ー
 トボトボと家に向かって歩いていると、前方から里桜のおじさんとおばさんが歩いてくるのが見えた。


「おじさんにおばさん?!」

「おお。本田くんか。……里桜を捜してくれていたのか?」

「はい。何もせずに待つことが出来なくて、里桜の行方を捜していました。これ……友人が作ってくれたポスターなんッスけど、よければどうぞ」


 2人に里桜のポスターを数百枚くらい渡す。数は多い方がいいだろう。2人は「ありがとう」とお礼を言い、ポスターを受け取った。


「この紙は、さっそく明日からありがたく使わせてもらうよ。……さて、小百合。お前は先に帰って寝ろ」

「えっ?」

「疲れているだろ?今日のところは、後は俺がするから……。本田くんももう家に帰りなさい、明日も学校なんだろ?」

「はい。そうさせてもらいます、すみません……」


 俺には明日も高校がある。

 本音を言うと、足がボロボロになってでも里桜を捜したいのだけど、学力が落ちれば過保護すぎる両親のことだから、里桜と別れろなんて言われる可能性は十二分にある。だから、こればっかりは仕方がない。

 心の中で今日も里桜を捜し出せなかったことに対して謝った俺は、トボトボと自分の家へと帰ったのだった。
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