純粋に狂おしく愛してる ー君が私を監禁した理由(ワケ)ー
「……1週間前」

「1週間前っ?!」

「ああ。初めて篠原さんを見掛けたのは、今からちょうど1週間前だ」


 1週間前に私の存在を知り、こんなに重い鉄枷や鎖をどこからともなく用意して、そして私を誘拐して監禁したっていうことっ?!

 ……展開があまりにも早いような気がするのは、私だけですか?

 鉄枷や鎖って、そんなに簡単に手に入るものなんだろうか?……ネット通販だとしても、そういう類いの機械が見当たらないのだけれど。


「どうして……私なんですか?」


 かわいいとか、それっぽっちの理由なら納得できない。周りを見渡せば、私よりかわいい子は大勢いるわけだし……。


「……篠原さんじゃなければ、意味がないから」


 私じゃなければ意味がない?……意味がよく、分からない。


「……じゃあ、かわいいっていう理由だけで、私のことを好きになったんですか?」

「違う」

「それなら、どうして……っ!」

「篠原さんじゃなければ意味がない。……ただ、それだけだ」


 どういうこと?いわゆる、一目惚れっていうこと?一目惚れなのかどうかは分からないけれど、なんにせよ、私には関係のないことだろう。

 私には、私の帰りを待っている家族がいる。友達がいる。そして何より、洋佑がいる。だから、私は──。


「私は、ここから……出たいです!出してくれないのなら、せめて、私は生きていて無事だっていうことを、みんなに伝えてほしいんです!」
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