純粋に狂おしく愛してる ー君が私を監禁した理由(ワケ)ー
 桐生さんがどうなるかなんて私には関係ないけれど、だからって、さすがに休むのはダメなんじゃ……。

 そう考える私に向かって、桐生さんは驚くべき一言を放った。


「……篠原さんが望むのなら、今日、外に出てみないか?」

「え……?」


 桐生さん、今、なんて?今、外に出てみないか、って……そう、言ったの?


「え? え、でも……大学……は?」

「篠原さんのためなら、何日でも休める。いくら留年したって構わない」


 今までと変わらない無表情……のように見えるのに、なぜだろう?今はどこか、真剣な表情を浮かべているようにも見える。

 どうして?どうしてそこまで、キッパリと言い切れるの……?


「……もちろん、条件はある」


 桐生さんは大きく息を吸い込むと、私の両目をジッと見つめた。


「1つ、俺の傍から離れないこと。俺の目の届くところにいてくれなければ、いざという時に篠原さんを守れないから」


 ……そこには、やっぱり私が逃げ出さないように見張るっていう意味も含まれているのかな?


「2つめ、周りの人に、自分の状況を知らせないこと。……無駄に敵を増やしたくない」


 ……今、ぼそっと敵って言わなかった?敵……?私からすれば、救世主だと思うんだけれど。
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