純粋に狂おしく愛してる ー君が私を監禁した理由(ワケ)ー
「3つめ、俺以外の人が話し掛けても、なるべく無視をすること。……篠原さんが他の誰かと会話をしているところなんて、想像もしたくない」

「は、はぁ……」


 まるで、独占欲の塊みたい。

 条件をそのまま聞くと、とても独占欲の強い男性……みたいに聴こえるけれど、どれもきっと、私が逃げ出したりしないために言っていることなんだろうな。


「……すべての条件がのめると約束が出来るのなら、外に出てもいい」

「……も、もしも、その条件に反することをしてしまったら……?」


 私のことを殴ったり、最悪の場合、殺す……とか?もしもそうなら、逃げ出す時はちゃんとタイミング見計らって、桐生さんに捕まらないようにしなければならない。だって、失敗したら、次はないのだから。

 ゴクリと生唾を飲み込む私に、桐生さんは言う。──私の思っていることとは、違うことを。


「……その時は、篠原さんを、俺のもとから奪おうとする者に危害を加える」

「えっ……」


 私を、桐生さんのもとから引きはがそうとしてくれる人に、危害を加える……?私に直接、危害を加えるのではなくて……?

 ダメだよ、そんなこと、ダメ。私を助けようとしてくれる人達に危害なんて……考えたくもない。


「または、」


 まだ続きがあるの?


「篠原さんをさらって、人がいない……どこか遠いところで、2人で一緒に暮らそうか」

「……っ!」


 頭の中が、真っ白になった。
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