純粋に狂おしく愛してる ー君が私を監禁した理由(ワケ)ー
 1人になって頭の中に思い浮かぶのは、家族や洋佑、そして友達のこと……。

 お母さん……きっと心配しているだろうな。もしかしたら泣いているかもしれない。お父さんは私を捜し回っているんだろうか。ちゃんとご飯、食べているかな。

 ……。

 洋佑……。


「……っ洋佑ぇ!」


 会いたい。みんなに会いたい。一般の学生らしく、学校に通いたい。こんなことになるんだったら、勉強……ちゃんとしておけばよかった。みんなと遊びにだって行きたい。買い物やカラオケに行きたい。みんなと……みんなと……。


「……っうう……ひっ……っ……ぐすっ……」


 泣いたら、ダメ。


「うう……ぐす……ひっく……」


 泣いたら、ダメなのに……。

 泣いたらダメだと思えば思うほど、涙が溢れ出してとまらない。

 いつまでこんな時間が続くのだろう?いつになったらもとの生活に戻れるのだろう?いつまで……こんな生活を続ければ、いいのだろう?

 そんなこと、私には分かるわけがなかった。

 でも、桐生さんがいない今、ほんの少しくらいなら、泣いてもいいよね……?

 ほんの少しくらいなら、泣いたって許されるよね……?

 ベッドのシーツに顔を埋めて泣いていたら、いつの間にか、私の意識は暗闇へと堕ちていった……。
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