天神学園高等部の奇怪な面々25
細っこいモヤシボディながら、なかなかに泳ぎが達者な箱。

ニョロニョロとウナギかウミヘビかというような泳法を駆使して、七星をプールサイドまで運ぶ。

バイオリン妹が見たら、またトラウマになりそうな軟体泳法だ。

とにかく彼は七星を救出。

プールサイドに引き摺り上げられた七星は、随分水を飲んでいるようだった。

「これはいけませんねっ、はい」

水を吸ってヘコヘコのグジャグジャになった段ボール箱も気にせず。

「ここは蘇生の心臓マッサージCM及び人工呼吸の熱いベーゼをっ!」

両手をワキワキといやらしく動かしつつ、段ボール箱から口元だけを露出させて、ムチューッといくべく七星に顔を近づけた箱は。

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