嘘なら好きと言わないで!
突然の告白
高校2年生になり、桜がだんだん散りはじめた頃。
「水瀬さーん、呼ばれてるよー」
「はーい」
放課後、ぞろぞろとみんなが帰っていくなか、誰かに呼ばれた。
「なにかしたのか?葵」
「もしかしたら告白かもよ~」
なんてからかってくるのは友達の佐々木 宗吾【ササキ ソウゴ】と片桐 菜穂【カタギリ ナホ】。
ふたりはあたしをからかうのが大好きなのである。
「告白はないだろ~」
「いーや、ありえるよ」
「もう!ふたりとも…面白がって…」
ニヤニヤしている顔に怒りを少し覚えつつ、鞄に教科書を入れていく。