愛してるの詩―アイシテルノウタ―
息をきらして家に
入ってきたあたしに
たまたま玄関にいあわせた母が
ビックリした表情をしていた。
「おかえり李菜…どうしたの?そんなに慌てて!」
「何にもないよ?お母さんあたし今日ごはんいらないから!」
そう言ってあたしは
急いで階段を駆け上がり
自分の部屋へと走った
「ちょっ!李菜!?」
母のあたしを呼ぶ声を
遮るように
バタンと激しい音をたてて
部屋のドアをしめた
_____
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
どれだけ寝たかな…
あたしはぼ―っとする頭の中で
陽翔が告白してくれた時の事を
思いだしていた。
《俺はお前をフラない》か…
自分でふって泣いてちゃ同じだよね…
グスッ…
また涙でてきた…
あたしの事好きじゃなくても
側にいてくれるなら
それでも良かったかな…
でもそんなの悲しすぎるよ…
トントン…
あたしの部屋のドアを
ノックする音が聞こえた
お母さん?
あたしは布団を深くかぶって
寝ているフリをした。
ガチャ…
「李菜…?寝てるの?」
寝てま―す。
「も~しょうがないわね…まあいいわ。入って?起こしちゃっていいから☆」
………?
お母さん誰と話してるの?
トントントンと
多分お母さんの階段を
降りる音と共に
誰かが部屋に入ってきた。
『李菜?』
………え…?
この声は間違いなく
あたしの大好きな人の
声だった。