愛してるの詩―アイシテルノウタ―


息をきらして家に
入ってきたあたしに
たまたま玄関にいあわせた母が
ビックリした表情をしていた。

「おかえり李菜…どうしたの?そんなに慌てて!」

「何にもないよ?お母さんあたし今日ごはんいらないから!」

そう言ってあたしは
急いで階段を駆け上がり
自分の部屋へと走った

「ちょっ!李菜!?」

母のあたしを呼ぶ声を
遮るように
バタンと激しい音をたてて
部屋のドアをしめた






_____
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


どれだけ寝たかな…
あたしはぼ―っとする頭の中で

陽翔が告白してくれた時の事を
思いだしていた。



《俺はお前をフラない》か…



自分でふって泣いてちゃ同じだよね…


グスッ…

また涙でてきた…


あたしの事好きじゃなくても
側にいてくれるなら
それでも良かったかな…

でもそんなの悲しすぎるよ…



トントン…

あたしの部屋のドアを
ノックする音が聞こえた

お母さん?


あたしは布団を深くかぶって
寝ているフリをした。



ガチャ…


「李菜…?寝てるの?」

寝てま―す。

「も~しょうがないわね…まあいいわ。入って?起こしちゃっていいから☆」


………?

お母さん誰と話してるの?

トントントンと
多分お母さんの階段を
降りる音と共に

誰かが部屋に入ってきた。


『李菜?』


………え…?




この声は間違いなく
あたしの大好きな人の
声だった。


< 21 / 28 >

この作品をシェア

pagetop