俺様教師の甘い罠
机に突っ伏して、心の中で
大きく溜息を吐き出した。
心の中は土砂降りだった。
想像よりも低い彼の声が
静まり返った教室に響き渡る。
やけに頭に残るその声が
段々近づいて来ているような気がして
泣きそうな顔を上げた。
「 ────────どうした、高坂 」
胸の奥のところが、苦しくなって
喉が焼けるように痛い。
こみ上げてくる涙を零さないように
我慢しながら、
「 ・・・このイス、足つかないです 」
私はそう言って、誤魔化した。
眉を寄せた先生は”知るか”と
私の頭を小突いて話を戻した。