俺様教師の甘い罠




「 コーヒー飲めないんだっけ? 」


「 ・・・はい 」


「 お茶しかないけど 」




大丈夫です、と頷けば
先生は笑いながら




「 早くコーヒー飲めるようになれ 」




ってお茶を出してくれた。
家具の少ないシンプルな
広々としたリビングを見渡して




テーブルの上に詰まれた雑誌と小説に
先生の部屋だなって実感して
そう感じるとまた緊張してしまって
お茶を一気に飲み干した。




「 ・・・・なに、緊張してんの? 」




テーブルの上にコーヒーを置きながら
ふっ、と小さく笑った先生に
ぶんぶん首を横に振ってみせるけど




「 へぇ・・・緊張してんだ 」




からかうようにそう言った先生から
顔を背けて、暗くなりかけていた
外へ視線を向けた。




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