俺様教師の甘い罠
暑い暑い夏の日。
「 夏休みだぁ・・・ 」
大嫌いなテストも終わって
ついに夏休みがやって来た。
終業式も終わって、
足は自然と書庫に向かう。
廊下の窓から見える楽しそうな
生徒をそっと見送りながら
私は図書室に踏み込んだ。
「 ・・・・・うっ 」
それは暑い夏の日。
冷房なんてあるはずのない
第2校舎の図書室の入り口で
私は思わず口元を手で覆った。
・・・・・・夏、だから?
やけに古い本の匂いと
とてもじゃないけど
仰ぐ気になれない熱い空気。
どれだけ仰いでもここでは
きっと”熱風”しか来なくて
結局は暑いんだろうな、と
制服のスカートの裾を
持ち上げて、少しでも暑さから
逃れようとした。