俺様教師の甘い罠




「 ・・・別にいいけど 」




窓から顔を出していた先生が
早く乗れって助手席を軽く叩いて
少し驚きながら、車に乗り込んだ。




「 ・・・いいんですか? 」


「 いや、全然よくない 」


「 ・・・・・・ですよね 」




私と先生が向かっているのは学校で、
先生の車に私が乗っているのは
・・・・・世間からしたら、というか
学校からしたら”大問題”で。




何でここに居るんだろう、とか
何で乗せたんだろう、とか
色々疑問に思いながら
降りようとした私の腕を
先生の大きな手が掴んで止めた。




「 ・・・・なお? 」


「 あのさ 」


「 ・・・・? 」


「 書庫で補習とか、ありえないから 」




首を傾げる私を見て息を吐いたあと
掴んでいた腕を離して、先生は
車を発進させた。




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