俺様教師の甘い罠




「 見つめんなよ 」




穴が開く、とかなんとか
冗談を言う先生も珍しかった。




「 先生、答えてくださいよ 」


「 ああ、さっきの? 」




はい、と私が大きく頷けば
やっぱり今日は機嫌が良いのか
涼しい車内が落ち着くからなのか、




真っ直ぐ前を向いたままの先生が
優しく微笑んで、










「 ────────────ああ、好きだよ 」





そう言って、頭に乗っかっていた
大きな手が頬に添えられた。





くすぐるように何度か頬を撫でられて
少ししたあと、手は離れていった。





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