俺様教師の甘い罠
「 ・・・・っいい加減にしろ 」
「 仲直りのチュウ、
好きだったでしょ? 」
ズキン、ズキン、と
聞いたことのない心臓の音が
私の頭の中に響いて。
「 いつの話をしてる 」
「 いつって、1年も経ってないよ? 」
「 それでももう終わったことだろ 」
知らなかった先生を
知っていくのは楽しかった。
好きな色も、曲も、本も。
一緒に好きになりたくて
先生を知るたびに幸せが増えて
両手から零れてしまいそうなくらい
たくさんの幸せを先生はくれた。
だから、きっと、
”これ”も、そうなるはずで。
「 澪・・・・ 」
だからこれは、目が乾燥しただけで
絶対に悲しくなんかなくて・・・
そうじゃ、なくて─────────