俺様教師の甘い罠




「 ・・・・っいい加減にしろ 」


「 仲直りのチュウ、
  好きだったでしょ? 」




ズキン、ズキン、と
聞いたことのない心臓の音が
私の頭の中に響いて。




「 いつの話をしてる 」


「 いつって、1年も経ってないよ? 」


「 それでももう終わったことだろ 」




知らなかった先生を
知っていくのは楽しかった。




好きな色も、曲も、本も。
一緒に好きになりたくて
先生を知るたびに幸せが増えて
両手から零れてしまいそうなくらい
たくさんの幸せを先生はくれた。




だから、きっと、




”これ”も、そうなるはずで。




「 澪・・・・ 」




だからこれは、目が乾燥しただけで
絶対に悲しくなんかなくて・・・




そうじゃ、なくて─────────




< 153 / 216 >

この作品をシェア

pagetop