俺様教師の甘い罠
ゾクゾクして目を瞑って
きゅっ、と唇を噛んだ。
「 ・・・・澪 」
「 ・・・・? 」
少し掠れた低い声が
静かな部屋に響く。
冷房のおかげで真夏とは
思えないほど涼しい室内。
触れる指先は熱くて、
その指に触れられたところから
ジワジワと熱が広がっていく気がした。
名前を呼ばれて顔を上げれば
先生は私の隣まで来て、
今度は私の手を強く握った。
「 ・・・・直斗? 」
すっかり名前で呼ぶのにも慣れて
学校で先生って呼べるのか
少し心配なほどだった。
・・・・不安そうな目をしているのは
きっと私だけじゃない。
揺れる瞳に私が映っていた。