俺様教師の甘い罠




「 ・・・もういい。早く来い 」


「 えー・・・ 」




そんな彼女を無視して
先生は私の腰に手を回したまま
・・・多分、リビングへ向かってる。




長い廊下だな、ってきょろきょろ
してたら先生に笑われてしまった。




「 久しぶり、久野さん 」


「 あら、帰って来たの? 」




リビングのドアを開けると
前に彼女が持っていたマグカップに
お茶を注いでいるおばさんが居た。




優しい笑顔を向けられて
初めまして、と震える声で言いながら
深々とお辞儀すれば先生も、
久野さんも笑っていた。




「 愛さんは? 」


「 今来るよ、っていうか
  俺の部屋に入れたの久野さん? 」


「 結婚を前提に、なんて言われたら
  もう何も言えないじゃない? 」




ズキッ、と痛む胸。
だけどそれでも平静を装って
後から来た愛さんの向かいのソファに
腰を下ろした。




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