俺様教師の甘い罠
大きな声を上げる彼女を
先生はたった一言で黙らせた。
目を見開いた彼女を先生は
真っ直ぐ見ていて、
「 俺はもうとっくに許してるよ、お前を 」
たとえば本当に彼女が捨て猫でも
拾ってエサをやったのは俺だから、と
車の中で先生が言っていたことを思い出した。
・・・・行くあてのない彼女に
温もりを与えたのは、
助けたいと思ったのは、
他の誰でもない、先生だから。
変な別れ方をした、と先生は
苦笑混じりに言っていた。
だから、ちゃんと別れないと、と。
「 何で辛いところに居続けるんだよ 」
この1週間っていう時間は
きっと短くなくて、だけど長くもない。
焦って答えを出そうとしていた
自分を恥ずかしく感じた。