俺様教師の甘い罠




「 お前、この家嫌いだろ 」




先生の香りがする部屋も
先生の残像が見える家も




きっと彼女を苦しめるだけだ。




ここに来て、先生の言葉を聞いて
それで初めて分かった。




「 言えよ。あの日俺に言えなかったこと 」




彼女は、・・・・愛さんは、
きっと大きな嘘をついている。




先生はそれに気付いたから
今度こそ助けようとしてる。




肩に回された手が
空いていた私の手を掴んで
指を絡めてきた。




「 ・・・・・っ 」




それを見た彼女は唇を噛んで、
・・・・顔を歪めて、俯いた。




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