俺様教師の甘い罠




同情してしまいそうになる、けど
きっとそれは彼女を傷つけるから
私はきゅっと唇を噛んだ。




泣いちゃいけない。




先生の強い力に応えるように
ぎゅっ、と私も強く手を握った。




「 ナオちゃんと同じように
 喜んでくれると思ってた・・・
  けど、嫌な顔されて・・・・ 」


「 それで、子どもは? 」


「 ・・・・・・っ 」




誰の子かも、わからないまま。




首を横に振って、彼女は泣きながら
そっと自分のお腹に手を添えた。




「 寂しくて・・・ナオちゃんがいないとき
  怖くて、不安で・・・だから・・・・・っ 」




だから、・・・・と
彼女は大泣きした。
ボロボロと零れる涙を拭う手は
お腹に添えられたまま。




その手に落ちる涙は
手を伝い、彼女の服に
シミを作っていった。




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