俺様教師の甘い罠
「 子どものこと、喜んでくれて
自分の子どもかも分からないのに
最後の最後まで”堕ろせ”とは
言わなかったから・・・ 」
「 愛、そこら辺の男と俺を
一緒にすんな 」
「 ・・・・え? 」
涙でぐしゃぐしゃの顔を上げて
潤んだ瞳で先生を見上げる。
「 子どものことを責めるつもりはない。
それに関しては俺にも非はあるし、
無責任なことをして悪かった 」
真剣な先生の目が彼女を見て
頭を下げた先生が、
「 もう、辛いだろ。
責められるのも、自分で
自分を責めるのも 」
さっきから手が痛い。
震えるほど強く握られた手が
ヒリヒリと痛くて、だけど
涙が零れないように私も
ぎゅっと握り返してた。
「 もうあるんだろ、居場所が。
こんな辛いところにいつまでも
居る必要なんかない 」
驚いていたからか、しばらく
止まっていた彼女の涙が
またぽろぽろと零れてきた。