俺様教師の甘い罠

「 今更、だけど 」


「 ････？ 」


「 別れよう、愛 」




手の甲で涙を拭いながら
愛さんは”うん”と
消えそうな声で返事をした。




「 俺、お前と付き合ったこと
　 後悔してないよ。
　 楽しかったし、今でもそれは
　 変わらないと思ってる 」


「 う、ん･･･ッ 」


「 ･･･幸せになれよ 」




じゃあ、って立ち上がった先生が
立てない私に気付いて、
手を引っ張って、立たせてくれた。




「 ･････っ 」




最後の最後まで何も言えない。
だけど、何か、何か･･･って
俯く彼女を見ながら言葉を探して、




「 愛さん･･･！ 」




言葉なんかなくて、
だけど勢いに任せて
口を開いてしまった。