俺様教師の甘い罠
「 ・・・早いなぁ 」
夏休みはあっという間に終わって
始業式の真っ最中、私は1人
書庫で膝を抱えていた。
ぼーっと窓の外を眺めながら
ああ、もうすぐ秋だな、なんて
そんなことを思っていた。
先生専用の卓上カレンダーは
先生が好きな青色のペンで
たくさん丸がついていて、
7月、8月とやけに丸が多かった。
「 補習の日だ・・・ 」
全部全部、”私の日”。
何度か本をとりに行きたいから、と
そのついでにここで補習をして、
先生の部屋でもして、
ほとんど毎日先生と過ごしていた。
・・・・だから、
先生と一緒に居られない
学校が少しだけ嫌いになった。