俺様教師の甘い罠
「 高坂? 」
「 ・・・・っ 」
第2校舎に人は来ない。
分かってる、けど
来るかもしれない。
私は生徒で、直斗は先生で、
だから我慢しないとって
昨日から、・・・・いや、
もうずっとずっと前から
そう思ってた。
分かってるつもりだった。
「 ・・・・なんだよ、その顔 」
ドアにもたれかかって
腕を組んで私を見下ろす先生は
もういつも通りの先生で、
つい最近までの優しい彼は
どこに行ってしまったのか・・・
少しだけムッとしながら
何でもないですよ、と返せば
小さく笑う声が部屋に響いた。
「 ・・・・なんですか 」
「 珍しく拗ねてんだ? 」
からかうようなその声に
やっぱりムッとしてしまって
顔を逸らした。